黒字倒産回避にファクタリング

資金不足に頭を抱える男性

経営者なら一度は耳にしたことがある「黒字倒産」。
当ページでは財務に関する基礎知識をはじめ、黒字倒産の怖さ、ファクタリングを利用した回避方法について解説いたします。

黒字倒産とは

不良債権と書かれた紙

黒字倒産とは、文字通り帳簿上は収益がある(黒字)のにも拘わらず、キャッシュが不足し、債務不履行や不渡りを起こしてしまうことをいいます。
なお、倒産という言葉は会社法上では存在せず、一般的には経営破綻を起こした状態を指し、法人ですと清算や解散手続状態に入った会社が該当します。

また、手形の不渡りを2回出してしまうと銀行取引停止処分を受け、以後2年間は当座預金と貸出取引が利用できません。
上場企業の場合は上場が取り消されてしまうため、事実上の倒産となります。

掛け取引によって起こる

現金・預金が不足する要因として「売掛金が期日に支払われないこと」が挙げられます。
例えば、以下の取引事例をご覧ください。

(1)1月1日時点でA社の現金預金は100万円であった。
(2)1月10日に200万円の売上があった。なお、仕入値は80万円のため120万円の利益となった。(売掛金の入金期日は1月20日とする)
(3)在庫が無くなったため1月15日(支払期日は1月31日)に150万円の仕入れを行った。
(4)1月20日が期日の200万円が入金されず、度重なる催告にも拘わらず1月31日になっても入金されなかった。
(5)1月31日期日の買掛金(150万円)が支払えず、事実上の経営破綻となった。

帳簿上では100万円の現金預金と未入金分の利益(120万円)がありますが、売掛金が入金されなかったため、買掛金の150万円が払えなくなってしまった形です。

もちろん、入金されるという前提で次の取引を進めてしまったのは大きな判断ミスと言えますが、売掛先が長年付き合いのある企業であった・大企業であったといったケースの場合、未入金の可能性は低いと考えてしまうのも無理はありません。
如何なる状況であっても、入金されなかった場合はどうなってしまうのか、一旦立ち止まってリスクを検討することが大切です。

連鎖倒産の恐怖

昭和終期から平成初期にかけて、日本では株価及び不動産の急激な価額上昇が見られ、過去に類を見ない程の好景気が訪れました。
これをバブル経済と呼び、何をしても儲かると言っても過言ではない状況であったため、多くの企業では投資・仕入れ・事業拡大等をするようになっていきます。

ここで多く利用されたのが「手形取引」です。
これは“期日までの弁済を約束する証書を発行し、代金を支払う”というもので、時には全く関係のない企業が発行した手形を第三者への支払いに充てるというケースもありました。
しかし、バブル経済が終焉し各社の支払いが滞りはじめると、状況は一変します。

売掛金が約束通りに支払われることを前提に取引を進めてきたため、多くの企業が黒字倒産を引き起こす事態となってしまったのです。
これがいわゆる「連鎖倒産」と呼ばれるもので、多くの企業が無茶な取引をし続けてきた代償を倒産という形で支払うことになってしまいました。

黒字倒産を防ぐには

資金繰りに悩む経営者

現代において、一部の業種を除き手形取引はほとんど用いられなくなりました。
そのため黒字倒産や連鎖倒産はあまり耳にしなくなりましたが、ビジネスをする以上はこのようなリスクがあることを意識せねばなりません。
黒字倒産を防ぐために、以下の点には特に留意しましょう。

とにかくキャッシュを確保

黒字倒産は現金・預金(キャッシュフロー)の不足によって引き起こされますので、とにかくキャッシュを用意しておくことを念頭に置いてください。
もちろん、掛取引事態は問題ありませんが、売掛金が期日通りに支払われることを前提に取引を進めてしまうのは非常に危険です。
「今までに何度も取引がある会社若しくは大企業だから問題ない」など、売掛先が信用できる企業であったとしても、疑うようにしましょう。

1つの売掛先に依存しない

取引先が少なければ少ないほど債務不履行時の危険性は高まります。
例えば、100万円の売掛金があった場合、1社に対して有するのと4社に対して有するのでは、後者の方が圧倒的にリスクは低いと言えるでしょう。
売掛金は1社に集中させず、できるだけ分散させるようにしてください。

また、1つに集中してしまった場合は売掛金の一部をファクタリングによって現金化しておくといったリスクヘッジもあります。

詐欺には要注意

掛け取引のもう一つのリスクが「詐欺」です。
高額な商品を掛け取引によって購入できるだけ購入し、計画的に倒産して支払いを免れる方法を取込詐欺といいます。
これらの被害に遭ってしまうと当然売掛金は支払われず、仕入代金の支払い義務だけを負う形になってしまい、黒字倒産となってしまう恐れがあります。
初めて取引する企業の場合、あまりにも高額な取引は控えるようにしてください。

ファクタリングの活用

提案をするビジネスパーソン

黒字倒産リスクを減らすためにファクタリングを活用するという手があります。
具体的には、以下の方法が考えられます。

売掛金を早めに現金化してしまう

先ほども軽く触れましたが、売掛金の一部を予め現金化しておくことで、黒字倒産に対する大きなリスクヘッジとなります。
例えば1000万円の売掛金のうち半分の500万円をファクタリングするといった形です。

ファクタリング手数料は売掛金に対するパーセンテージになりますので、コストを抑えつつリスクを減らすことができます。
ただし、新規の取引先や著しく経営状況が悪い企業に対する売掛金の場合、ファクタリングを断られてしまう又は手数料が高くなってしまう可能性がある点にご注意ください。

一括ファクタリングを利用する

一括ファクタリングとは、債権者(売掛金を有している企業)の任意のタイミングで現金化できる金融サービスで、主に銀行系のファクタリングで用いられている方法です。
予め債権者・債務者・ファクタリング会社(銀行)の3社間で契約を締結しておかねばならない点がネックとなりますが、好きなタイミングで現金化できるため安心感があります。
新規顧客の場合は一括ファクタリングを契約の条件に盛り込んでみる、というのも一つの手です。

入金のズレを調整する

ファクタリングには「入金のタイミングを調整できる」というメリットがあります。
例えば、入金が一時的に遅れてしまっている場合に、従来の期日通りに入金がなされるようにファクタリングで調整するといった形です。

(1)1月末日に入金予定の100万円が遅れている
(2)2月末日にまとめて2か月分支払えないかの打診があった
(3)1月末日分の売掛金をファクタリング
(4)1月末日分のみファクタリング会社に引き渡し、2月末日分は従来通りに入金

反復継続したファクタリング利用はキャッシュフローの停滞を招く恐れがありますが、ピンポイントでの利用であれば低コストかつ黒字倒産のリスクヘッジを狙えます。
なお、繰り返し遅れてしまう可能性がある場合は、ファクタリングの額を徐々に減らす又は期日の中間で利用するなど、出来るだけ回数を抑える工夫が必要です。
ファクタリングを上手に活用し、黒字倒産のリスクをできる限り抑えましょう。